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◆ 作家のお話。 ◆
 
  夭折の童話作家、新美南吉と「ごんぎつね」。
 

  「ごんぎつね」は小学四年生の教科書に載っていた事から、多くの人があらすじを知っています。「ごん狐」は新美南吉17歳の時の作品で、「赤い鳥」昭和7年1月号に掲載されました。

  作者の新美南吉は大正2年(1913)7月30日、愛知県半田町字東山86番地(現、愛知県半田市岩滑中町1丁目83番地)、渡辺家の次男として生まれました。
  お父さんは多蔵、お母さんはりゑ、南吉は正八と名付けられました。
 「正八」はもともとお兄さんの名前だったのですが、生後間もなく亡くなり、南吉はお兄さんの分まで長生きしてほしいと名付けられたそうです。

  母りゑは南吉が四歳の時、亡くなり、六歳の時お父さんが再婚、間もなく弟「益吉」が生まれました。 南吉は義母「志ん」さんとあまりうまくいっていなかったようです。
  八歳になった「正八」は母方のお祖母さんの元に養子に行き、渡辺姓から新美姓に変わりまが、「正八」はお祖母さんとの生活になじめず、半年弱で戻っています。

  当時のお祖母さんの印象を南吉はこう記しています。
 「おばあさんというのは、夫に死に別れ、息子に死に別れ、嫁に出ていかれ、そしてたった一人ぼっちで長い間をその寂莫の中に生きて来たためだらうか、私が側によっても私のひ弱な子供心をあたためてくれる柔い温ものをもっていなかった。」
  しかし、家に帰った南吉にとって、そこが「子供心をあたためてくれる柔らかい温もの」であったとは限らなかったようです。

  大正十五年、南吉は岩滑小学校を卒業、県立半田中学校(現、半田高校)へ入学しました。 南吉は翌年中学二年から童謡を書き始め、中学四年十六歳の時から、童話の創作をはじめたようです。

  ごんぎつねのあらすじは、
  山の中にひとりぼっちですんでいた、子ギツネのごんは夜も昼もあたりの村に出ていたずらばかりしていました。
  ある秋の事、雨が二、三日降り続いたあと、ごんは小川で兵十が網でサカナを取っていました。 ごんはそのびくに入っていたサカナやウナギを、逃がしてしまいます。

  十日後、ごんは兵十の家からお葬式が出ていくのを見ます。兵十のおかあさんが亡くなったのです。「あの時のうなぎはおかあさんのために取っていたんじゃないか?おかあさんはウナギが食べたい、ウナギが食べたいと言ってなくなったんじゃないか?」ごんはあんないたづらをしなければよかったと後悔します。

  「おれとおなじ、ひとりぼっちの兵十か。」ごんは兵十のために、サカナを持っていこうとします。ごんは魚売りの持っていた魚を兵十のところに持っていきます。しかし、兵十はサカナを取ったと勘違いされ殴られてしまいます。

  ごんは次に栗を兵十へ届けます。しかし兵十にはだれが栗を持ってきたのかわかりません。兵十はごんと気づかず、神様に感謝します。ごんは「わりにあわないなあ」と思うのですが次の日も栗を届けます。

  兵十は家にはいるごんを見つけます。「またいたづらをしにきたのか」兵十は火縄銃でごんを撃ってしまいます。倒れたごんのそばには、栗が積んでありました。「ごん、おまえだったのか」ごんはぐったり目をとじたままうなづきました。まだ、火縄銃から青いけむりがほそくでていました。

  昭和六年十八歳になった南吉は師範学校を受けましたが、体が弱くて入学出来ませんでした。 そのため南吉は母校、半田第二尋常小学校(現、岩滑小)の代用教員となり、2年生を受け持ちました。そして生徒に自分のつくった童話を放して聞かせました。このころから「新美南吉」というペンネームを使い始め、翌年、「赤い鳥」一月号に「ごん狐」が掲載れます。
  昭和六年、南吉は東京外国語学校英文科に入学しました。この頃の南吉は、希望に満ちあふれ、北原白秋や巽聖歌、与田凖一など、すぐれた詩人にはぐくまれて、次々と童話を書いています。

  しかし南吉の体は病魔にむしばまれていました。翌年の二月、寝汗をかくようになり、タンに血が混じるようになります。結核でした。南吉は試験も受けられず故郷に帰り療養しています。
  昭和十一年二十三歳の時、東京外国語学校を卒業、東京で就職しますが、十月になって病気となり、十一月に故郷に帰ります。
  半年の療養後、昭和十二年四月から七月三十一日まで、再び代用教員となり、河和小学校で四年生の子どもを教えました。九月一日から南吉は、鶏の飼料をつくる杉治商会鴉根山畜禽研究所に勤めます。

  翌年、昭和十三年四月から安城高等女学校の教員となります。そして翌年、生徒の書いた詩をあつめて詩集を作っています。二十五歳からの南吉の教員生活は南吉にとって、安定した日々でした。童話を書き、詩をつくり、それが童話集となり、充実していました。

  初めて受け持った一年生が卒業した翌年、南吉の病気は重くなり、二月になって学校を退職、三度療養生活に入ります。そして三月二十二日午前八時、息を引き取ります。二十九年八ヶ月という生涯でした。
    
  南吉の家族関係は最後まで良くなかったようです。療養中も長く家にいる事が出来なかったようです。「ごん狐」はそんな通じ合わない心と心を、なお理解しあおうとする南吉の心を投影しているようです。

  南吉は死の直前二月十二日に、友人である巽聖歌に手元にある原稿を送ります。
「書留で、新しいのも古いのも、童話でないのも、ともかくいま手元にある未発表のものを、全部送りました。いいのだけ拾って、一冊できそうでしたら作って下さい。原稿のままで失礼とは思いますが、もう浄書する体力がありません。こんどの病気は喉頭結核という面白くないやつで、しかも、相当進行しています。朝晩二度の粥をすするのが、すでに苦痛なのです。
  生前(というのは、まだちょっと早すぎますが)には、実にいろいろの御恩を受けました。何らお報いすることのなかったのが残念です。(後略)」

  巽聖歌は驚いて南吉のところに行き、三泊四日して帰ったそうです。

  それから一ヶ月後、南吉は息を引き取ります。南吉は誰もいない常福院の離家で、一人で瞑目していたと巽聖歌は伝えています。枕元には未完成絶筆となった「天狗」という作品が置かれていたそうです。

  その年、巽聖歌の手により、九月十日に、「牛をつないだ椿の木」、九月三十日に、「花のき村と盗人たち」の二冊の童話集が発行されました。

  ◆補記。
  新美南吉記念館
http://www.nankichi.gr.jp/

新美南吉童話集 ごんぎつねの会
http://www.gon.gr.jp/

新美南吉データ
http://www.d1.dion.ne.jp/~ueda_nob/authors/nankichi/nankichi.html

新美南吉ご紹介
http://www.chi-ta.com/nankichi/nankichitop.html
   
   
新美南吉の絵本
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