◆◆◆ カエルの王様 ◆◆◆
   リンゴリンゴ、リンゴ。 リンゴリンゴ、リンゴ。
   あーまいリンゴ、スッパイリンゴ、おいしーいリンゴ。
   あーおいリンゴ、真っ赤なリンゴ、おーおきーなリンゴ。
   チュチュ、重くない?
   重くな〜い。 よろよろしてる。
   そう?
   一口かじってやろうか? 少しは軽くなるぞ。
   やだ、(このままもって帰る。 俺ならおなかの中に入れて帰るけどな〜。)
   いちば〜ん大きなリンゴ取ったんだ。 おじ〜ちゃん達に見せ、
   る〜? 大きくよろけるチュチュ。
   ばたっ。
   ごろん。
   あっ。
   ああっ。
   転がってくリンゴ。 ゴロゴロゴロ
   ボクのリンゴ!
   ゴロゴロゴロ。
   チュチュ 待ってぇ!
   草むらが動く ザザザザザザザ
   その後、しっぽが草むらを動く
   リンゴ、コロコロコロ。
   コロコロコロ、待ってぇ〜!
   トン、跳ねて、
   ああっ!
   空中に
   ポチャーン。 跳ねて、池に落ちる
   沈んで行くリンゴ、ぶくぶくぶく。
   ・・・・ボクのリンゴ。 泣きそうなチュチュ
   あ〜あ、もったいね〜。
   これじゃ取れないわ。
   リンゴ、池から浮かび上がってくる。
   チュチュ、リンゴ!
   カエル、リンゴをもって浮かぶ。
   ケロケロケロ。 ニッ。
   こんにちは、子ネズミさん。
   チュチュ達、蓮の葉に乗って遊ぶ。
   チュチュはカエルと友達になりました。
   カエルの名はカール・ケロロン。
   チュチュ、えへへへへ
   カールはずっとここに住んでるの?
   最近この池に来ました。 このあたりには知り合いがいなくて。
   顔を見合わせるチュチュ達。
   えへへへへ。 困って笑う。
   どうしたんですか?
   ううん、なんでもない。
   そう、すい〜。
   カールは心地よさそうに泳ぎました。
   カール、僕達以外のネズミと仲良くしちゃダメだよ。
   カールは変な顔をしました。
   だめよ。
   だめだぜ。
   はい。
   バイバイするカール。
   う〜ん、困りました。
   カールはチュチュ達と他のネズミと仲良くしないと、
   つい約束してしまい、考え込んでいました。
   カ〜エルケロケロ、ケロケ〜ロ。
   元気にぴょんぴょん跳ねまわる。
   あっちへ、こっちへ、飛び回る。
   あっ。 カール隠れる。
   けろ? けろ? ど〜こかな?
   う〜ん、みつからな〜い。 女の子ネズミのローザー金のブローチ
   ローザ・・・。
   カールはネズミのローザに恋をしていました。
   じっと見つめてる女の子ネズミ
   ああっ、見ているだけで私の胸がケロケロときめくっ。
   ほんとはチュチュさん達に、仲立ちして欲しかったのにっ。
   カールの胸はケロケロ痛みました。
   まだこのあたりにカエルがいたんだ。
   おれ、久しぶりに見た。
   私も。
   困ったね〜。
   うん、
   困ったわ〜。   う〜ん。(ハインリッヒ)
   あっ。
   誰か倒れてる。
   大丈夫?
   はい、大丈夫ですっ。
   ギギッ。 胸に鋼がはめてある。
   わっ、何これ?
   うっ、ぽろっと涙をこぼすと ギギッと音がする。
   これは、悲しくて胸が張り裂けないようにはめてあるんです。
   ぽろっぽろっ。 ギギギギギッ。
   ・・・
   なにがそんなに悲しいの?
   うっ!
   ギギギギギッ!
   うううううっ!
   ギギギギギギギギギギギギギギ〜〜〜〜〜〜〜!
   うわ〜〜〜〜〜〜!
   爆発する〜〜〜〜〜!
   ハインリッヒ、陶酔したように。
   私はハインリッヒ、さる王に仕える従者です。
   先日、王様に従い、ある峠にさしかかった時、
   一匹のカエルに出会ったのです。
   「これは王様、私はかねがねお伺いしたい事があるのですが。」
   「なにかな?」
   「私は美人ですか?」
   (・・・ハインリヒ、困った。)
   (・・・はい、私も困りました。)
   「・・・・・・・・・・・・・・・。」
   「・・・・・・・・・・・・・・・。」
   「この間はなに?」
   「・・・それは真実そなたを愛しているもののみ答えられる。」
   「・・・王様は私を愛してくださらないの?」
   (・・・ハインリヒ、助けてくれ。)
   (・・・はい、え〜と、どうお答えしましょうか?)
   「・・・・・・・・・・・・・・・。」
   「この間がいやぁぁぁ〜〜〜!」
   ボン! カエル魔法使いに
   ボン! 王様カエルに、
   「うわ〜〜〜、王様〜〜〜〜〜!」
   「けろ?」
   「イヒヒヒヒ、この魔法はカエルとなった王を真実愛したもののみ
    解く事が出来るのじゃ。」
   「えっ・・・・・?」
   「探してまいれ!」ドゲッ!
   「けろっ!」 川に蹴り落とされる。
   「王様〜〜〜!」
   「けろ〜〜〜〜〜!」
    ぎ〜ぎぎ〜、ぎ〜ぎぎ〜。
   「王様を見つけ出し、早くお救いせねばと思うのですが、
    このあたりにはカエルがどうしたことか一匹も見当たりません。」
   
   顔を見合わせる三人、苦笑い
   「・・・・えへへへへ。」
   
   「あっ・・・その王様、カールって名前じゃない?」
   「はい、お心あたり、ありますか?」
   「うん。」
   「おお〜、王様〜〜〜、いまハインリッヒがお救いに参ります〜〜〜〜〜!」
    ぎぎ〜、ぎぎぎぎぎ〜〜〜〜〜〜!
   「うわ〜、爆発する〜〜〜。」   ローザ、熱いまなざしで池を見つめている。
   心がケロケロときめく。 ああっ、今日も見つめてるだけなのか?
   コロッ。
   ポチャーン。 ローザ、金のブローチを落とす
   あっ。
   あっ。 カール動いてしまう。
   カール、金のブローチを手にする。
   考え込んで
   すーっと上に上がる。
   ローザ、「まぁ。」
   「ブローチを落とされました。」
   ブローチを差し出すカール。
   ローザ、「ありがとう。」
   カール、「はい。」
   でも、王様、見つかってよかったね。
   うん、なんか安心した。
   王様は真実の愛を見つけるまで、カエルのままなんですよ。 ぎぎぎ〜。
   でも食べられるよりましかな。
   あはははは。
   食べられる? ぎぃ〜? ハインリッヒへんな顔をする。
   うわっ!
   うわっ!
   うわっ!
   うわっ!
   ローザにすくい上げられてるカール
   見つめあう二人。
   王様は真実の愛に巡り合われたのではっ?
   違うよっ!
   早く止めなきゃ!
   なぜです? 王様は真実の愛に出会われたのなら、元に戻れるんですよっ。
   なぜ止めるんですっ?
   ローザさんはカエルが好きだけどっ。
   なら、このままそっと見守って。
   ハインリッヒさん、違うんだ。
   ローザさんはカリカリに揚がったカエルのフライが好きなんだっ!
   ・・・・・・・・・・えっ? ハインリッヒ、二人を見つめる。
   愛、それは真実と誤解と錯覚。
   それが何か、本人はナカナカ気がつかない。
   ああっ、私は今、身が焦げそうなほど幸せっ。
   ローザ、ごくん。
   四人、真っ青。
   王様が・・・危ない。
   助けなきゃ。
   待ってください、王様はとっても繊細な方なんです。
   もし、好いたお方が自分を食べようとしてるとわかったら・・・・・。
   ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ〜。
   そ、そうだね。
   それに、もしホントに愛し合っておられたら、 ぎぎっ。
   魔法が解けるかも・・・。
   じゃどうするの?
   ・・・どうしたらいいんでしょう?
   が〜、頼りない人だな〜〜〜!
   し〜!
   二人、歩いて行く。
   うわ〜、どうする?
   追いかけるんだよっ!
   ローザの家
   のぞく三人。
   ローザさん、カールを食べたいのかな?
   それとも好きなのかな?
   それが問題ね。
   かわいいお部屋ですね。
   ありがとう。 ローザお茶を入れてる。
   どうぞ。
   いただきます。
   なんだかいい雰囲気よ。
   ああっ、あれは何ですか?
   お鍋ね。
   あれはっ?
   油かな?
   ギギギギギッ
   し〜〜〜〜っ!

   このお茶はいい香りですね。
   ええ、レモングラスとローズマリーよ。
   ずっと水の中でしたので、暖かいお茶は久しぶりです。
   
   あれは・・・あれは何?
   包丁だよ。
   あれは・・・?
   パン粉と香辛料
   ギギギギギギギギッ
   し〜〜〜〜〜〜〜〜っ!
   でも水の中は、思ったより気持ちいいんです。
   風のかわりに水の流れが、さらさら体を包み込むんです。
   夏の暑い太陽も、水の中では水面で散って、柔らかいカーペットになるんです。
   それがあちこちに反射して、ゆらゆら水草の中で揺れるんです。
   急に寒くなっても、水は羽根布団のように私の体を包むんです。
   ローザ、聞いている。
   ・・・お茶をもう一杯入れるわ。
   立つ。
   台所に立つローザお茶を入れる
   考え込む。
   ローザさん・・・。
   王様・・・。
   ローザ、火を起こす。
   えっ?
   包丁を握る。
   まずいぜっ!
   カールさん、カールさん! ドンドンドン! 窓を叩くシュシュ
   あっ、チュチュさん。 まずい!
   カールさん、早く逃げて!
   チュチュさん、これには理由が!
   約束を破ってしまいましたが、え〜と、え〜と、
   早く! ローザさんが台所にいる間に逃げて!
   ああっ、そんなに怒らないでっ。 約束を破った私がわるいんですっ。
   なにやってるの? 早く逃げて!
   ・・・聞こえないんじゃないか?
   へ?
   ローザ、カールの後へ。
   カール、振り返る。
   うわっっ! チュチュ達のけぞる。
   ローザアップ。
   下を見て
   ・・・何か暖かいものをつくるわ。
   食べて行ってください。 ぽっ
   はい。
   ボン!
   カールは立派なネズミの王様に。
   まぁ!
   うん?
   カール様っ!
   ハインリッヒ、私は元にもどったぞ。
   はい、真実の愛、です。
   ローザさんっ!
   ・・・はい、カエルさん、いえカールさん。
   ボン!
   悪い魔女がもう一回襲ってくる。 カエルの魔女
   うわ〜、魔女だ〜〜〜〜〜〜!
   おおっ!
   真実の愛を見つけたようだね。
   だが私をきれいって言わなかったものは、再び呪いをかけてやるっ!
   ・・・・・・おいしそう。 ごくん。
   えっ? 魔女、汗。
   えっ? みんな見つめる。 
   なに? ・・・この嫌な間はなに?
   魔女、フライに。
   いただきま〜す。
   おいし〜ね〜〜〜。
   うん。
   こうして邪悪な魔法使いは、カリカリのおいしいフライとなって去り、
   王様はカエル取りの名人になりました。
   ハインリッヒ、カエルを取りに行こう。
   はい、よろこんで。
   ボクらも行く〜!
   食べたいくらい好き。