餅つき。

餅つきは正月用の餅をつく行事です。

日本人は古くから、人間の霊魂と穀物の霊魂とをおなじものだと考えていました。

そこで、穀物の霊魂を形にした円餅を食べることによって、人間の霊魂が強大になるようにと願ったのです。

そのため、祭りの日であるハレの日には、かならず円餅をついて食べたのでした。

年神に供える「鏡餅」は鏡をかたどったものです。

昔は、鏡は円盤状で、その表面に物事や風景、顔などが映る神秘的なものだと考えられていました。

そこで、昔の人は鏡を神聖視して、御神体としたのです。

皇室の三種の神器に鏡が入っているのも、このような理由からです。

また、家によっては家族の人数分の小さな円餅を作って供えておき、それをいただいて元日一に雑煮に入れて食べますが、これも、餅が人間の霊魂と穀物の霊魂をかたどっていると考えられているからなのです。

餅の作り方は、まずもち米を一晩水につけてから蒸籠(せいろ)で蒸します。

ずっと昔は、蒸籠(せいろ)の前身である土でできた甑を使いました。

それを臼に入れ、杵を使って掛け声をかけながら数人でつきます。

農家では自分の家でつきましたが、都市部では臼・釜・蒸籠・杵・薪などの道具を担いで、餅つきをして歩く業者もありました。

これを「引き摺り」「引き摺り餅」といって、昭和初期でも見られました。

また、餅米を渡して餅屋についてもらう賃餅というのもあった。

明治時代には、十二月十日頃になると「例年の通り賃もちし候」という貼り紙が、餅屋・米屋・菓子屋の軒先に貼られたそうです。

また、二十九日は「苦餅」といっていやがられ、この日には餅つきを行わないとする風習も残っています。

 
 
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