除夜の鐘。

除夜の鐘は、十二月三十一日の除夜の十二時をはさんで諸方の寺院で鐘をつく事、また、その鐘の音を言います。

百八の鐘ともいわれ、百八の煩悩を除去し、新年を迎える意味をこめて、百八回つき鳴らします。

中国では、除夜はもともと冬至(収穫感謝祭の日)の前夜を言いました。

『四条家年中行事』のなかに、この夜に追儺が行われていたことが記されている事から、古くは宮中、貴族の間では、除夜の晩に悪鬼を祓う行事が行われていたと考えられています。

百八の鐘は中国の唐代の禅僧・百丈懐海(七二十〜八一四年)が制定したといわれ、寺院では朝夕百八回鐘を鳴らすのを原則としています。

ただし普段は、略して一八回にとどめるのが通例で、暁に鳴らすのは眠りを戒め、暮に打つのは目のくらんだ迷いを覚ますためだと言われています。

仏教では、人間の心身を苦悩させる煩悩は百八種もあるとされています。

一説に、眼・耳・鼻・舌・身・意の六根が、色・声・香・味・触・法の六塵と関係するときに、それぞれ苦楽・不苦・不楽の3種があって、一八種の煩悩となり、これを染・浄の二つに分け、この三六種をさらに過去・現在・未来の三つに分けて、百八種となると計算したものだそうです。

しかし、百八は十二か月、二十四節気、七十二候を足した数だという読もあり、どうやらこちらが本来の意味のようです。

日本に初めて鐘がもたらされたのは、欽明天皇の二十三年(五六二)八月に、大将軍大伴狭手彦が高麗(朝鮮)に遠征した時、多くの品々とともに、三口の鋼鋳鐘を戦利品として持ち帰ったときだとされています。

日本で鋳造された鐘の中で、現在する最古のものは京都妙心寺にあり、文武天皇の二年(六九八)に鋳造されたものと伝えられています。

 
 
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