成道会・臘八会。

釈迦が悟りを開き、仏陀となった聖日、十二月八日を記念して行う法会で諷八会とも言います。

成道」とは、菩薩が修行の末、成仏得道、すなわち悟りを開いて仏となることを言い、成道会は、釈迦の成道を記念する法会ですが、仏道に励み深く自己を見つめる日でもあります。

成道会は古くは臘八会と言いました。

臘八は臘月(十二月)八日の意味で、釈迦が雪山で苦行の末、暁に明星を仰いで悟りを開いた出山した日とされています。

この行事は諸宗で行われますが、特に禅宗では「臘八上堂」と言う、釈迦の苦行を偲んで、出山の釈迦像を仏殿に掲げ、茶湯を供して諷経回向(ふぎんえこう)をします。

鎌倉円覚寺・鶴見総持寺・京都相国寺、妙心寺・福井永平寺等の禅寺においては、「臘八接心」「臘八大接心」と言い、十二月一日から八日までの七日間、不眠不休の座禅修行が行われます。
(接心は禅宗用語で僧が禅の教養を示す意。)

七日の夜、または朝に、茶粥・甘酒・沢庵が出され、寺によっては、臘八粥(ろうはちがゆ)・五味粥・温糟粥(うんぞうがゆ)と呼ばれる、昆布・串柿・菜を入れた粥を食べる風習があります。

この粥は釈迦が出山の時に、体を温めるよう難陀・婆羅の二人の少女から乳粥の供養を受けたという故事にちなんでいます。

一般に、この粥を温蔵粥とも言い、臓腑を暖める粥の意味だそうです。

宮中では昆布・串柿・大豆粉・薬葉を合わせてつくり、櫃司(ひつつかさ)から献じたとされています。

また、味噌に酒の糟を四角に刻んだものを少量入れて煮たものであるともされていますが、あきらかではないそうです。

中国では臘八粥と言って、この日に祖霊を祭り、仏に粥を供える風俗が宗時代以降に行われました。

清朝末期の北京では、もちあわ・白米・もち米・粟(または菱の実)・蕎麦の実・栗・小豆・棗(なつめ)の八種を良く煮て、これに色の美しい果物を混ぜて色どりとし、砂糖などで味をつけたのが臘八粥で、これを八日の明け方に仏前に供え、午前中に親戚・知人に配ったそうです。

釈迦の成道の日は二月八日とも四月八日ともされていますが、中国では二月八日を釈迦生誕の日、日本では四月八日を誕生の日とする事が多いようです。

しかし四月八日を出家の日とする事もあり、釈迦の降誕・出家・成道の日に関する所伝はマチマチです。