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八月の行事ーお盆と閻魔様のお話。
 
吉事盆。
  吉事盆。
   これまで説明してきたのは、亡くなった人を供養するための盆ですが、一方では新しく迎える新仏もなく、一族が健康なことを祝う「吉事盆」があります。
 吉事盆は「生身魂(いきみたま)」「生見玉(いきみたま)」「生盆(いきぼん)」とも言います。このような盆こそが、日本古来の盆なのです。
 日本ではもとは一年を二期に分けていたので、盆にも正月とともにその折り目として祖先の霊を迎え、繁栄を祈り願ったのでした。
 一年の二期目の始まりにあたって、両親がそろい、家族が健康であることは何よりもめでたいこととして祝われたのでした。
 その証拠に、多くの地方で、盆の前夜祭として七月十三日に両親を中心に一族が集まって宴会を開き、サバ、トビウオなど仏教の精進料理では避けられるなまぐさものを食べます。
 両親だけでなく、名付け親や仲人のところにもサバを持って「盆礼」に行くならわしのところもあります。
 この風習を長野県では「盆年」「盆節供」と言い、サバ、トビウオなどを「盆肴」などと言います。
 これは、正月の年越しのお節料理や年取り肴に相当するものです。
 このときのサバは「刺鯖」と言われる背を切り開いて塩漬けにしたもので、江戸時代には、もち米の飯をハスの葉に旬んだものにのせて、父母や舅・姑に贈る習慣ありました。
 そのため、盆近くなるとサバ売りが回ってきたものですが、このことから、時季遅れのもののことを、「盆過ぎての鯖商い」「盆過ぎての蓮菓」などと言いました。
 埼玉県では嫁に行った娘が米または小麦粉を持って里に帰り、両親にごちそう一して里に一泊します。
 次の日は、残った米や小麦粉を持ち帰り、今度は舅と姑にごちそうするのです。
 これは地方によっては、持っていくものがスイカだったり、そうめんや砂糖、豆だったりします。