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六月-海と水辺の物語。
 
川開き・山開き。
  川開き・山開き。
 

 旧暦の六月は、夏の幕開けを告げる川祭りの季節です。
 川祭りは六月と十二月の夏冬、年に二回行われ、十二月のほうは「川浸り(かわびたり)」と呼ばれます。
 六月は暑さを迎えて水に親しむ季節でもあり、川祭りは河童祭りや祓園祭り、天王祭、天神祭りなどさまざまな形をとっています。
 川祭りは水神祭の性格をもっていますが、「カワ」は古い時代は井戸も意味したので、井戸神の祭りを行う地方もあります。
 また、旧暦の六月一日、新暦の七月一日は川開きの日でもあります。
この日を待って初めて川に入ることが許され、その禁を破ると水神のたたりがあると恐れられました。
 川開きは、初めはおもに水難防止の祈願をこめて行われましたが、江戸時代になると、約三か月にわたる納涼会の皮切りという意味で、次第に娯楽的な要素が強くなっていきました。

 全国各地で開催される川開きのうちで最も有名な東京の「両国の川開き」は、享保年間に始まりました。
 その年は全国的に凶作で、江戸では疫病が流行したので、幕府は悪疫退散を祈願して水神祭を行いました。
 そのとき、両国橋近くの茶屋が余興として献上花火を打ち上げたのが始まりで、隅田川にたくさんの屋形船や伝馬船が繰り出し、両岸につめかけた大勢の見物人が見事な大花火や仕掛け花火を鑑賞したそうです。

 一万、登山の解禁日を、旧暦の六月一日とする風習も古くからありました。とりわけ中世以降は富士信仰が高まり、六月一日の山開きから二十日までの富士登山が盛んとなりました。江戸時代には、人々は富士講を営み、三日〜七日間の精進潔斎のあと、白衣を着て鈴と金剛杖を持ち、富士山に登る「富士詣」が流行しました。
 また、東京駒込の富士権現で六月一日に行われる山開きの祭礼では、麦ワラで作った蛇が名物となっています。再生の意味合いが転じて、参詣者が持って帰ると疫病にかからないという言い伝えがあるそうです。