楠木正成が息女、千早姫。

一条戻橋の話の原型と思われるものは『今昔物語』「近江安義橋の鬼云々」で、ここでの主人公は再びやって来た鬼に、咽を食い破られ死ぬという結末になっています。

またこの話の発展型は、『太平記』巻二十三「大森彦七事」です。


大森彦七盛長は南北朝時代の伊予国の武士で、足利尊氏に属して軍功をあげました。

特に尊氏と楠木正成とが決戦をした湊川の合戦では、細川定禅に従って、楠木正成を死地に追い込んだとされています。

「太平記」では湊川の合戦後、彦七は正成の亡霊と名乗る鬼女と出会い、格闘の末、これを撃退しますが、再び鬼は襲いかかってきます。

鬼女の目的は政権奪取のために彦七が正成から奪った宝剣「菊水」を、取り戻す事。

雷雲に乗る千頭王鬼(せんずおうき)が本体で、彦七のもとに七度にわたって襲いかかります。

ある時は巨大な蜘蛛となって、美女となって、そして牛頭鬼となって、宝剣菊水を奪いにやってきます。

錯乱状態に陥った彦七は、宝剣を奪われますが「大般若経」の功徳によって救われます。

この物語は浄瑠璃「蘭奢待新田系図」に、また福地桜痴作の新歌舞伎十八番、舞踏劇『大森彦七』となっています。

鬼女は楠木正成の息女千早姫となり、父の敵となる大森彦七のもとへ「菊水」を取り戻すために鬼となってやってきます。 ここでの彦七は鬼となった千早姫に同情し、「菊水」を奪わせ、望みを遂げさせます。


この話の戯れ歌に「彦七も初手は業平気取也」という歌があります。

業平が二条后を背負い芥川を逃亡したように、背中に負うた者が恋人なら、どこまででも走るのだけど、それが突然鬼女に変わってしまったとしたら、怖い人生のような話かな。


ただ恐れて咽を喰いちぎられるか、正体を見抜けず、だまされるか、彦七のように、鬼となった女性に「望みを遂げよ。」と言えるかどうか、鬼面の下に隠された素顔が見えるかどうか、鬼と出会うは、器量をもためされると言うことでしょうか。



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