渡辺綱、一条戻橋で鬼女と出会う。

きんたろうの同僚で四天王の一人、渡辺綱は実在の人物で、945〜1025の平安中期の武士で、嵯峨源氏の流れをくむ箕田源氏宛の子です。

源満仲の婿敦の養子となり、養母の居所、摂津の国渡辺にちなんで、渡辺姓を名のり、源頼光の郎党となり、渡辺党の祖となった人物です。

渡辺党は、難波の渡辺の地を中心に、渡場、橋詰などで渡渉の力役に従事し、水霊鎮斎、水難防止の呪術に携わっていたと考えられています。

綱という名前も、綱渡し、籠渡しに使われる渡渉具としての綱を意味するものとも考えられています。


綱の鬼退治の話は、屋代本「平家物語」剣巻にあります。

頼光が用事を思い出し、渡辺綱を一条大宮に派遣します。

深夜の事で名剣「髭切」を渡し、馬で向かわせます。そしてその帰り、一条堀川にかかる戻橋の橋の東のつめで若い女房が一人南へ向かうのを綱は見ます。

女房は綱を見て「五条わたりのものです、送ってください。」と頼みます。

綱は女を馬に乗せ南へ送ろうと馬をはしらせますが、女は今度は都の外に送って欲しいといいます。

綱は「どこへでも、行きたいところへ送りますよ。」と答えます。


その時女はさっと形相を変え、恐ろしい鬼となり、「わが行くところは愛宕山ぞ」というと、綱の髻(もとどり)をつかんで、西北天へ飛びました。

綱は「髭切」の太刀を抜き、鬼の腕を切り落としますが、北野社の廻廊の屋根に墜落します。

鬼は片腕を失いながら、愛宕の方向へ飛び去りました。

綱は頼光のところへ戻り、残された鬼の腕を見せます。

鬼の腕は漆黒の肌色で、白銀のような毛がびっしりと生えていました。

頼光は安倍晴明にこの事を占わせると大凶。

綱は七日間の慎み、鬼の腕を櫃に封じて仁王経が読誦される事となりました。


そして慎みの六日目、綱の伯母で養母にあたる者が上洛、綱は潔斎を破って対面します。

伯母は来し方話のついでに、この厳重な物忌みを綱に聞きます。

綱は、伯母にいきさつをはなし、鬼の片腕をつい、見せてしまいます。

伯母は鬼を腕を眺めていましたが、突然鬼となって、「これは吾が手だ、持っていくぞ。」と言うと飛び上がり、破風を蹴破って外に出、光るものとなって虚空に消えました。

以上が綱の一条戻橋の鬼の話です。

同書の別の下りで、この鬼は物ねたみから貴船明神に祈って鬼女となった宇治の橋姫であったと伝えています。


この話は渡辺党の住まいが東屋で、破風を持たない由来譚とも考えられています。


またこの鬼は本来は水神で、カッパが馬を水に引き込もうとして、腕を切り落とされ、それを取り返しに来る話と同原であったものが、鬼女、鬼へと変化していったとも考えられています。



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