安寿と厨子王と金焼地蔵。

お地蔵様は六道へ自らおもむき、苦しむ人々を救済するのですが人々の苦を自ら身代わりとなって受ける仏様でもあります。

「地蔵菩薩霊験記」の巻の十の十に「下女火印免事」という説話があります。

「下女火印免女。」

奥州秋田郡に玉大夫という無慈悲な名主がいて、大勢の農夫や小作人を使役していました。その中に「おとめご」という心優しい女性がありました。

ある日おとめごは農夫達に弁当を届ける役目を命じられましたが、その途中道端の荒れ果てたお堂に地蔵を見つけ、自分の弁当と農夫の弁当の一部をお供えしました。

しかしその事が玉大夫にばれ、怒った玉大夫は真っ赤に焼けた矢の根のカリマタを、おとめごの顔や体に押し付け、おとめごを殺してしまいます。

しかし焼き金を当てられたのはおとめごの身代わりとなったお地蔵様でした。

おとめごはのちに地頭の妻となり、玉大夫は犯した罪の報いにより地獄に落ちたのでした。

お地蔵様が焼いた金(焼き印、焼きごて)を身代わりとなって受けるお話を、金焼地蔵と言います。

丹後の金焼地蔵の由来を説く物語は「さんせう大夫」。これが安寿と厨子王の物語の原形となっています。

安寿と厨子王は地蔵菩薩を信仰していて、厨子王が山椒太夫から逃亡し追っ手に見つかるその瞬間、地蔵からまばゆい光が放たれ、厨子王は守られます。

安寿は厨子王の身代わりとなって、山椒太夫に責め殺されるのですが、のちに地蔵として祭られ鎮魂されるのです。

身代わりとしての安寿=金焼地蔵ということでしょうか。

明暦二年刊の「せつきようさんせう太夫」には、厨子王が山椒太夫に復讐を果たしたのち、安寿を祀る場面をこう描写しています。


  うれしきにも、かなしきにも、先立つものは涙なり。

  これにつけても、安寿の姫、

  うき世に永らえあるならば、なにしに、ものを思うべきと、

  あめやさめとぞ、泣き給う。

  梅津の院も、お聖も、伊勢の子萩を、先として、

  「御嘆きはことわりなれども、さりながら、

  嘆きてかなわぬことながら、思いしめし切らせ給え」とて、

  蓬莱山を飾りたて、御喜びの、御酒盛りは、昼夜三日と聞こえける。

  御杯も、納まれば、姉御の、菩提のためにとて、

  肌の守りの、地蔵菩薩を、丹後の国に、安置して、

  一宇の御堂を、建立したまう。

  今の世に至るまで、金焼地蔵菩薩とて、人々崇め奉る。

絵本。

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