笠地蔵と地蔵菩薩。

「笠地蔵」のお話は、今更あらすじを書く事もないほど、日本人なら誰もが知っている昔話です。

ではお地蔵さんは?と言うと、これまた日本人なら見た事のない人はいないんじゃないか?と言うくらいあちこちに祀られ、建立されておられます。

地蔵菩薩は、釈迦没後、弥勒仏が出生するまでの間、すべての人間を救済する事を仏にゆだねられた菩薩です。

地蔵菩薩の原名はクシチィガルバ (Ksitigarbha)。

クシチィは「地」、ガルバは「胎」または「子宮」の意で、「大地のごとく万有の母胎であり、万有を平等に育成し成就せしめるもの」で、「地蔵十輪経」では「よく善根を生じる事は大地の徳の如し。」と地蔵菩薩の尊格を表現しています。

尊容は声聞形(しょうもんぎょう)=比丘・僧の形を取り、不空訳の「地蔵儀軌」には、「内に菩薩の行を秘め、外に比丘の相を現す。

左手に宝珠をもち、右手に錫杖を執り、千葉の青蓮華に安住す。」と記述されています。

このように密教以外のお地蔵様は、頭を丸めた僧の姿で、右手に錫杖、左手に宝珠が一般的な姿です。

もともと仏教の仏様ですからその源流はインド、仏教以前はバラモン教の地神プリティヴィー、及びその信仰が仏教に取り込まれたものと考えられています。

しかしインドでは地蔵菩薩への信仰自体が行われなかったようで、中国に仏教が伝わり、四世紀〜七世紀頃に地蔵信仰が盛んに行われるようになったと推定されています。

日本へは伝来ははっきりしていませんが、「正倉院文書」の記録として、平安時代、天平三年(731)以降地蔵経典が書写されたと書かれています。

また「東大寺要録」には天平十九年(747)二月十五日に光明皇后発願による、高さ一丈の地蔵菩薩像と虚空蔵菩薩像が一具の像として東大寺講堂に安置されたと記されています。

現存する最古の仏像とされているものは京都、広隆寺の地蔵菩薩座像で平安初期、貞観十五年(873)に勘録「広隆寺縁起并資財帳」に広隆寺別当道昌(798〜875)発願と記録されています。

現存する石造りのもので最古とされているものは、奈良市春日山石切峠にある「春日山石窟仏」の中にある四体で、平安末期のものとされています。

これらの四体は六地蔵の一部とも見られています。

また同じ平安末期のものとして福島県相馬郡小高町泉沢の薬師堂石窟にレリーフのものがあるそうです。

鎌倉時代に入ると地蔵菩薩は、観音菩薩とともに阿弥陀三尊の脇侍として、像立されはじめています。

初期の地蔵菩薩は、虚空蔵菩薩と一対のものとして信仰、制作されて来ましたが平安後期に入ると、六道救済の尊格として、単独、または六地蔵として制作されるようになって来ました。

六地蔵の名称と持ち物には諸説あって一定していないようです。
 鎌倉時代初期に成立した「覚禅鈔」によると、
地獄道   大定智慧地蔵 檀陀地蔵   光味地蔵   宝珠 錫杖
餓鬼道   大徳清浄地蔵 宝珠地蔵   牟尼地蔵   宝珠 与願印
畜生道   大光明地蔵  宝印地蔵   諸竜地蔵   宝珠 如意宝珠
修羅道   清浄無垢地蔵 持地地蔵   救勝地蔵   宝珠 梵篋
人道    大清浄地蔵  除蓋障地蔵  護讃地蔵   宝珠 施無畏印
天道    大堅個地蔵  日光地蔵   不休息地蔵  宝珠 経巻
 の三通りの六地蔵をあげています。
 また平安時代末期に撰述された「地蔵菩薩発心因縁十王経」によると、
地獄道   金剛願地蔵
餓鬼道   金剛宝地蔵
畜生道   金剛悲地蔵
修羅道   金剛幢地蔵
人道    放光王地蔵
天道    預天賀地蔵
  の六地蔵をあげています。

また六地蔵の図像は、「大正新修大蔵経」図像第六巻収録の「東寺観智院安祥本」と名づけられる六地蔵座像があります。

彫像としては、平泉中尊寺金色堂の藤原清衡・基衡・秀衡の三壇に阿弥陀三尊とともに安置されているものが古いとされています。

地蔵菩薩に関しての説話は、十一世紀中頃から後半にかけて成立した三井寺(園城寺)の上座、実睿(じつえい)撰の 日本最初の地蔵説話集「地蔵菩薩霊験記」、それをを典拠としたと言われる「今昔物語集」巻第十七に多数伝えられています。

このうち、「たまつおやこれたか」の話に記述されている六地蔵が。

「東寺観智院安祥本」のものと一致し、注目されているそうです。また、十三世紀後半に成立した「沙石集」にも地蔵説話が修められています。

六地蔵に対する信仰は遅くとも十一世紀後半には発生し、霊験説話の数々が絵巻物として描かれ、多くの人に親しまれて行ったと考えられています。

近世以降、今日に至っても、地蔵信仰にもとずく新たな地蔵像、武将姿の勝軍地蔵、賽の河原の地蔵、子安地蔵、水子地蔵などがつくられ続けています。

さて、ここまでお地蔵様を調べていたのは他でもありません。

「笠地蔵」のお地蔵様は何を持ってこられたのか?やっとみつけました(笑)。

お地蔵様はソリで運んでこられました。

  一番橇 米俵
  二番橇 御餅
  三番橇 酒肴 人参、牛蒡、芋、大根、魚
        (干し魚か塩漬けの魚かも。)
  四番橇 味噌
  五番橇 衣装
  六番橇 銭(金銀)

  うん、すごい。

 
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