クリスマス Christmas の語源。

Cristesはキリストの事で、masseはミサ(聖餐式)のことです。

古英語ではCristes masseークリーステス・マッセと言われていました。

もともとはラテン語のmissa(解散)が語源で、 ミサの最後に Ite, missa est ecclesia「行きなさい。集会は解散です」と 言われたことから、「解散」という言葉がミサそのものを指すようになったと 言われています。

街で見かける「Xmas」は、ギリシア語のキリスト(Χριστοs)の 頭文字Xに「mas」を付けたものです。

Χριστοs(クリーストス)は ヘブライ語のマシーアハ(massiah=メシア)のギリシア語訳で、 「油を注がれた者」という意味から来ているそうです。

古代ヘブライ国家で、王は即位の礼として頭に油を注がれました。

そのため、「油を注がれたもの」はイスラエルの王を意味し、 転じて「イスラエルを救うために神が遣わすべき将来の王」の意味を 持つようになりました。

キリスト教では、「人類の罪をあがなうために神が遣わした救い主」を クリーストスと呼ぶようになりました。

クリスマスは、語源上、救世主の集会・聖餐式が正しいのですが、 今では救世主の誕生を祝うお祭り、「救世主降誕祭」になっています。


キリストの誕生日はいつ?

クリスマスはキリストの誕生を祝う日なのですが、 残念ながらキリストの正確な誕生日、誕生から三十歳頃までの事はわかってません。

マタイ福音書(マタイ 二章一〜十二節)には、ヘロデ王が救い主の誕生を 恐れ、ベツレヘムとその周辺一帯にいた二歳歳以下の男の子を、一人残らず 殺させたことが書いてあります。

イエス・キリストがヘロデ王の恐れた救世主、という前提で考えると イエスの誕生は紀元前六年〜四年頃であったと思われます。

ルカ福音書(ルカ 二章一〜七節)によると、ローマ皇帝アウグストゥスは、 徴税のためにイスラエルすべての人々に住民登録を命じました。

そのため、イエスの両親マリアとヨセフも、住民登録のために、 ガリラヤの町ナザレから、ヨセフの故郷であるベツレヘムに向かいました。

二人は、どこの宿屋も満員だったため、馬小屋として使われている 洞窟に泊まりました。

そこでイエスが、お生まれになり、 マリアは、イエスを布にくるんで飼い葉桶に寝かせました。

厩(うまや)での誕生エピソードですね。

聖書には天地創造の話があり、六日目に人間が創造された事から、

初期キリスト教徒は一月六日を、

  「キリストが洗礼を受けた日」

     ||

  「救世主が世に現れた日」

     ||

救世主キリストの誕生した日「主の公現」とされていました。

そののち、「イエスは生まれながらに救世主であった」という解釈から 一月一日が誕生日になりました。

そして、ニケヤの公会議(西暦三百二十五年)で、 キリストの誕生日を十二月二十五日と決定、 教皇ユリウス一世が「イエスの誕生日は十二月二十五日である。」と布告し、 キリスト教国全体でこの日を降誕祭として祝うようになったそうです。

(クリスマスが十二月二十五日に祝われた最古の記録は、三百五十四年だそうです。)


十二月二十五日はミトラ神の誕生日。

ミトラ教は紀元前千七百年以前の中央アジアまでさかのぼれる、 古代宗教です。

原形がどのようなものかはっきりわかっていませんが、 大女神アーディティから生まれた七柱の神々、ミトラ、ヴァルナ、 アーリマン、バガ、ダクシャ、アムシャ、インドラの、 アーディティヤ神群をもち、光の神ミトラを最高神・至高神として 崇拝していました。

ミトラ神は愛と友情の神であり、ミトラ教は赦しの思想を 持っていたとされています。

天使、堕天使、原人、占星術、七つの曜日、二十八宿、十二星座など、 現代に通ずる概念をもち、後のさまざまな宗教、神話に影響を与えています。

また救世主を意味するユダヤ教のメシアMessiahは、 ミトラのペルシア語方言ミシアMisiaに由来し、 キリスト誕生時にやって来た東方の三賢者は、ミトラ教のマギと 考えられています。

ローマ帝国にミトラ教が伝わったのは、 ポントゥス王国がポンペイウス率いるローマ帝国海軍に敗れたとき、捕虜になった兵士からでした。

この時ローマの兵士にギリシャ神話と習合したミトラ教が伝わり、 ローマ軍の移動にともないローマ帝国全土に広がりました。

ミトラは堕天使と戦いこれに勝利しますが、のち堕天使をゆるした神でした。

ミトラ教は高い思想性を持ち、その教え、倫理性から兵士の間で人気が高く、ストア学派、新プラトン学派らの援護をも受けました。

ミトラ教は西暦三百四年にローマ帝国の国教になり、 三百八十年にテオドシウス一世によりキリスト教が国教化されるまで、 約七十六年間ローマ帝国の国教となっていました。

十二月二十五日前後は冬至の日にあたり、収穫祭、豊饒祭、太陽の復活を 祝うお祭りが、さまざまな場所でおこなわれていました。

この時代、ミトラ神はギリシャ神話のアポロンのような神格を 重ね合わせられ、光と正義、不滅の太陽そのものを現していました。

そのミトラ神の誕生日が十二月二十五日だったのです。

当時キリスト教は、反対にローマ帝国から弾圧されていました。

キリスト教が認められたのは三百十三年、 コンスタンティヌス帝が同僚皇帝リキニウスとミラノで会見し、連名で 『ミラノの勅令』を発布し,あらゆる宗教に信仰の自由を認めてからでした。

キリスト教は公認されると、布教活動のために、他の宗教の祭りを 積極的に取り込んでいったと考えられています。

キリスト教はローマ帝国での最大の宗教的ライバル、 ミトラ教の主神ミトラ神の誕生日を、キリスト誕生の日として、 乗っ取ったのでした。

キリスト教がローマ帝国で力を持つようになると、 今度はミトラ教が迫害されるようになり、ついには消滅してしまいました。


絵本。

  うまやのクリスマス   クリスマスのものがたり
   
クリスマスって なあに ケムエルとノアのはこぶね ノアの箱舟 ちいさなもみのき
「うさこちゃん」シリーズの作者ディック・ブルーナの絵本。 こちらはエッチングの絵本。マジで描いてあります。
 
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