すばるの伝説その一。

「昴」は、一つの星ではなく、プレアデス星団と言う星の集団で、肉眼では六つの明るい星が見えます。

「すばる」の名は、万葉集や古事記に出て来る、「美須麻流玉(みすまるのたま)」等から出て来たものとされています。

「すまる」は「統まる」という言葉に由来していて、「玉を集めるもの」という意味だそうです。<

古代では、この連なった星を見て農作業の目安としていました。

この星団が夜半に南中する時、蕎麦と麦をまくのにちょうど良いとされていました。

昴は中国では二十八宿の昴宿(ぼうしゅく)としていました。

やはり農事と関連していて、西暦前に千三百年前の農事暦に、

「日は短く、星は昴、以て仲冬を正す」とあり、日の暮れに南中する時を冬至としたそうです。


「星になった七人の娘」

プレアデスの七人の娘は、巨人アトラスと川の神オケアノスの娘プレイオネとの間に生まれ、月の女神アルテミスに仕える侍女でした。

ある日、ボイオティアの森で遊んでいると、狩人のオリオンが娘達を見つけ、追いかけはじめました。

母プレイオネと共に逃げましたが五年の間追いかけ続けて来るので、困った娘達は空に逃げ、アルテミスに助けを求めました。

アルテミスは娘達を自分の衣のすその中に隠し、オリオンがいなくなった後、女神がすそをあげてみると、娘達は七羽の鳩になって飛び立ち、プレアデス星団の星々になったと言われています。

後にオリオンも星になり、今でも空で娘達を追いかけているそうです。

娘達は、ターユゲテー、エレクトラ、アルキュオネー、ケライノー、マイア、メロペー、アステロペーと言う名前で、七姉妹です。

「行方しれずのプレアデス」と言って、昔は七つ見えていたという伝説があり、今は六つしか見えないため、誰かがいなくなったという伝説が残っています。

まず、見えなくなった星はメロペーで、人間のシンフォス王の妻になったのを恥じ、顔を隠しているためだと言われています。

また、見えなくなった星はエレクトラとする伝説も残っています。

エレクトラは、空に昇った後、我が子ダルダノスが建てたトロヤが戦争で滅びるのを見て、悲しみのあまり彗星となったとも、北斗七星のうちの伴星アルコスになったとも伝えられています。

また、残る六人もいつも泣いているので、この星団は青白くかすんでいると伝えられています。


インディアンの伝説にもあります。

星の月夜に、インディアンの七人の子供が、森の中で手をつないで、星の歌を合唱しながら踊っていました。

すると星が見とれて、目をパチパチさせたので子供たちは、子どもたちは空に昇って昴となりました。

けれど一人だけ地上を恋しがって泣いているので、その星だけ良く見えないと伝えています。


オーストラリアのアボリジニにも伝説が伝わっています。

昔、七人の美しい娘が、森の中を歩き回って、ヤムイモを探していましたが、朝から夜まで探しまわっても一本も見つかりませんでした。

コッカトュー鳥がすっかり食べてしまっていたのです。

娘達は、何も持たずに帰ると、火くい鳥のシンガルに殴られるのをひどく恐れました。

それで、先祖の霊バーメを呼んで、「助けてください」と祈りました。

バーメは不憫に思って、娘の一人一人を星にして空にあげました。

そのため今でも赤い星カレンビンル(アルデバラン)の近くにかたまって輝いています。

アボリジニは地上の花がしぼんでしまうと、風にのって天の花園に飛んで行き、そこで永久に美しく咲くと考えたそうです。

もし、空を覆う大気が無くなって、宇宙がそのまま見えれば、そこには虹色の星の花が一杯にあらわれ、その中を七人の娘の魂が美しく輝いて見えるだろう、それがすばる星であると言い伝えています。

またアボリジニは、昴ののぼる時を元日としているそうです。


 
 
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