蠍座の神話。

蠍座は、黄道十二宮九番目の星座で、夏から秋にかけて、十数個の星がS字型を書く曲線美の美しい星座です。

蠍座の名前は古代バビロニアで、このS字型をサソリの姿と見た事から来ており、中国ではこれを他の星と合わせて青龍としました。

S字型のカーブ上に赤いアルファ星アンタレスがあり、蠍の胸にあたるため「コールスコルピィ」と呼びます。

中国の二十八宿では、青龍の胸と見て心宿と言います。また頭に当たる部分を房宿、尾に当たる部分を尾宿(びしゅく)と言います。

古代バビロニアでは蠍をもっとも不吉なものと見ており、赤いアルファ星を闇の力の星とし、太陽が秋分の後に次第に低くなり、光と熱を失って行くのをこの星の仕業と考えていました。

これはエジプトでも同様で、エジプト人は太陽が蠍座にある時、日の神オシリスを闇の神ティフォンが殺したと伝え、神官たちは、神話にある通り、オシリスの像を棺に入れ海に流し、三日たってから神官がそれを発見したとして、祭りを行ったそうです。

そして、その後六ヶ月の間、ティフォンがこの世をおさめ、春分の日が来るとオシリスの復活とそて祝福したそうです。


ギリシャ神話では、有名な「パエトーン」と「オリオン」の伝説があります。

「パエトーン」

パエトーンは太陽神ヘリオス(アポロン)とニンフ・クリュメネーの子でした。

地上で育っていませんでしたが、父が誰だかわからず、いなかったため、寂しい子供時代でしたが成人したのち、自分が太陽神の子供と知り、極東の父の宮殿へ向かいました。

ヘリオスは息子が訪ねて来た事に喜び、何でも言う事を叶えてやろうと言いました。

パエトーンは父ののる太陽の戦車が気に入り、自分も乗ってみたいと答えました。

「太陽の車は自分の他には大神ゼウスでさえ操る事は出来ぬ。

 車を引く四頭の馬は、口からも鼻からも、火炎をはき走るので手綱をさばくのは容易ではない。

 また東から昇り西に降りる黄道には、化けもの牛、化け獅子、大蟹、大蠍、馬人などいろいろな怪物が邪魔をしようとする。

 他に望みはないのか?」

しかしパエトーンはなおも太陽の戦車を望んだため、ヘリオスはとうとう許してしまいました。

パエトーンは戦車に乗り込み、馬の手綱をとりました。

しかし、四頭の馬は、戦車がいつもより軽いので、たちまち猛烈な早さで駆け出し、天の道から外れてしまいました。

パエトーンは手綱を取ろうとしましたが、目の前には大きな蠍が毒の尾を立て、二本のハサミを振り上げていました。

太陽の戦車は星々の間を跳ね回り、天のてっぺんに飛び上がると、地上すれすれに落ちて来て、大地を焼き、多くの町や森が火に包まれたのです。

この時、焼かれた大地は多くの砂漠となり、アフリカの民族は肌が黒くなったともされています。

これを見ていたゼウスは、雷撃でパエトーンを撃ちました。

雷に撃たれたパエトーンは燃えながらエリダヌス河に落ちて行きました。

パエトーンの姉妹たちは、パエトーンの亡骸を葬ると、嘆き悲しんだのちポプラの木となりました。

そして、その涙は、琥珀となったという事です。

      「パエトーン」


エリダノス河は、エリダノス座というトレミーの四十八星座と一つになっています。

なお、パエトーン(Phaethon)は「フェートン」「ファエトン」とも言うそうです。


次は「オリオン」の話です。

「オリオン」

オリオン(Orion・Oarion)はポイオーディアの巨人で男子の狩人で、ポセイドンとエウリュアレーの子とも、大地母神ガイアの子とも言われています。

オリオンはポセイドンより水中、又は水上を歩く力を与えられて、シーデーを妻にしていました。

しかしシーデーはヘーラーと美を競ったため、タルタロスに投じられてしまいました。

オリオンはキオス島に赴き、オイノビオーン王の娘、メロペーに求婚しました。

王は島の野獣退治を命じたため、オリオンは野獣をすべて退治し、再び王にメロペーを求めました。

王はオリオンを歓待し、酔わせ、その間に彼を盲目にし、海へ捨てました。

目の見えなくなったオリオンは鍛冶屋のヘーバイトスの所に行き、ケーダリオーンというネーバイトスの元で修行していた男の子を奪い、自分の肩に乗せると、太陽の登る所へ連れていくよう命じました。

オリオンは太陽の光によって視力を取り戻すと、復讐のためにオイノビーン王の元へ、向かいましたが、ヘーバイトスが地下に部屋を構築し、オイノビーンを逃れさせたため、オリオンは手出しが出きませんでした。

その後、曙の女神、エーオースがオリオンに恋をしたため、デーロスへと運ばれたそうです。

オリオンは星座になったのは彼が殺されたためですが、異説が多数あります。

オリオンが円盤競技をアルテミスに挑んだため、女神に殺された、とも、オービスという乙女を犯そうとしたため殺されたともされています。

もっとも一般的な説はアルテミス自身を犯そうとしたため、女神が蠍を送って、蠍に刺されて殺されたとされています。

この蠍は、オリオンがいかなる動物でも殺す事が出来ると誇ったため、大地母神ガイアが彼の元に送ったともされています。

この功により蠍は天に上げられ蠍座となり、またオリオンも星となりオリオン座となり、常に蠍から逃れようとしているとされています。

このお話はもっとも古い星座のお話の一つとされ、ホメロス中にすでにあるそうです。

      「オリオン」


 
 
Google
Web pleasuremind.jp