りゅう座の神話。

竜座は、おおぐま座とこぐま座の間で、大きなS字の形をした星座です。

ギリシャ神話で、この星座になったという竜が何匹もいます。

まず一番有名な竜がラドン(Ladon)。

ラドンは、ヘスペリデスの園の黄金の林檎を守っている、テュポンとエキドナから生まれた百の頭をもつ不死身の竜でした。

黄金の林檎はゼウスとヘラが結婚した時、ガイアが贈ったもので、アトラス山の麓のゼウスの園に植えました。

ここに、番人としてヘスペリスたちとラドンだったのです。

ヘスペリスたちは夕べの娘という意味で、

アイグレー、エリュテイア、ヘスペラレテーサまたはアイグレー、アレテューサ、ヘスペリア、の三人とも、アイグレー、エリュテイア、アレテューサ、ヘスペリア、の四人、または七人とされています。


後代になって、ヘスペリス達は、アトラスとその姪のヘスペリスとの間にできた七人の娘とされ、林檎を竜のラドンと守りながら、羊をたくさん飼って暮らしていたそうです。


ヘラクレスは十二の冒険をしているのですが、その中の一つが黄金の林檎を持って来る事でした。

しかし、ヘラクレスは、ヘスペリデスの園がどこにあるのか、まったく知らなかったのです。

一説にはリビアの西方、一説には北方のヒュペルボレイオス人の国にあるアトラス山の近くにあるとも言われていました。

そこでヘラクレスは、まず、北へ向かい、

エケドーロス川岸で、アーレスの子キュクロス(白鳥座のお話)と戦い、

エーリダノス河で、ゼウスとテーミスの間に生まれた、河のニンフ達と出会いました。

そこで、海の神ネレウスにヘスペリデスの園の場所を聞くよう教えられました。


ネレウスは、ポントスとガイアの子で、賢明、温和で予言の力がありました。オケアノスの娘ドーリスを妻とし、五十人または百人の娘を持ち、彼女達と海の底、とくにエーゲ海に住みました。

海の老人と呼ばれ、船乗りの保護者であり、姿を自由に変える力を持っていました。


ヘラクレスは、ネレウスの所へ行くと、眠っているネレウスを襲いました。

ネレウスは火、水、その他のものに変身して逃れようとしましたが、ヘラクレスは彼を捕まえて、ついにヘスペリデスの園の場所を聞き出したのでした。


ヘスペリデスの園の場所を知ったヘラクレスは、プロメテウスに知恵を借りに行きました。

エーゲ海からリビアに進み、エジプトを通って、外海に進み、そこで太陽神ヘリオスから大金の大盃を受け取りました。

そして、カウカウス山上で、プロメテウスの肝臓を喰っているエキドナとテュポンの子の鷲を射落としプロメテウスを解き放ったのです。

プロメテウスはヘラクレスに、自分で林檎を取りに行かないで、アトラスに会って、彼のかついでいる空をかわりにかついで、アトラスに娘のいるヘスペリデスの園にやるように、話しました。

このあたりからは、アトラスの伝説で一度話したくだりとなります。

林檎を取って来たアトラスと空をかつぐのを交代し、林檎を手に入れたのでした。


このように、一般には、百の頭をもつ不死身の竜ラドンは、ヘラクレスとは会ってない事になっているのですが、異説として、ヘラクレスが直接ヘスペリデスの園へ行き、ラドンを退治して林檎を手に入れ、殺されたラドンは空に星座としてかけられたと言う事になっているんだそうです。

実は、この部分にも異説があるんです。

ヘスペリデスの園に住んでいたアトラスの娘達は、黄金の林檎とたくさんの羊を飼っていたため、エジプト王ブーシーリスは、山賊に命じてヘスペリデスの園から羊を略奪し、娘達をさらうよう命じました。

そこへ黄金の林檎を捜してヘラクレスがやって来て、盗賊どもを退治、娘達をアトラスの元に返したのだそうです。

そのお礼として、アトラスはヘラクレスの望む黄金の林檎を与え、天文の知識を彼に授けたとされています。

で、ラドンはまた殺されてないんです。<

困った(笑)。


さてギリシャ神話には、他に、このりゅう座となったとされる竜がいます。

フェニキアのテュロスの王、アゲノールとテレパッサの子、カドモスは、姉妹のエウロペーが、牡牛に身を変じて連れ去った後、兄弟三人でエウロペーを捜しに旅に出ました。

しかし、エウロペーはどこにも見つからず、兄弟三人は父王から、エウロペーを見つけるまで帰って来る事を禁じられていたため、カドモスと母はフェニキアに移り住みました。

母が亡くなった後、カドモスはデルポイに神託を求めたところ、牝牛を道案内に、その牝牛が疲れて倒れたところに市を建設せよ、と命じられました。

ある牛の群れの中から、月の印のある牝牛を見つけたカドモスは、その後に従ってついて行き、すると、牝牛は後のテーバイにあたる所に座り込みました。

カドモスは牝牛をアテナに捧げようと、アーレスの泉に水を汲みに行った所、そこには竜がすんで泉を守っており(アーレスの子とも言われています)、その竜は、従者達に襲いかかり、多くを殺してしまいました。

カドモスは石を投げつけ、投げ矢で竜と戦いました。

そして竜がぐったりして木にもたれかかったところを、槍で頭を刺し、退治したのです。

カドモスはアテナの勧めで、その竜の牙を取り、地面に投げつけた所、地面から武装した男達が現れ、ふとした事から争いをはじめて、五人だけが生き残り、スパルトイ=撒かれた男と呼ばれる、カドモスの従者となったと言う事です。

この神話の中のアーレスの泉の竜がりゅう座になったと言われています。

またこの星座は、神々との戦いの時、女神アテナを襲った竜で、この時アテナが竜を空に放り投げると天の柱に巻きつき、そのまま星座になったとされています。


「エジプトのりゅう座。」

りゅう座アルファは、トュパーン「りゅう」と言い、昔は今の二倍の光度があったそうです。

紀元前二千七百九十年に天の北極にもっとも近く、その前後に千年ほどの間、北極星となっていました。

エジプトのピラミッドの中には、北極星を観測したと思われる長い廊下があり、りゅう座アルファを北極星として観測していたようです。

またこの星は、アッカドのザルゴン王の占いの本にある「天の生命」「天の裁判官」などの名で記されている星とされています。

そして、りゅう座ガンマ、エルタニン「りゅうの頭」は、エジプトで尊ばれていたそうです。

エジプトでのりゅう座は、りゅうではなく大きな河馬(カバ)の姿となっていて、これは悪神ティフォンの姿だそうです。

ティフォンの姿は、体が河馬、手と胸は人間の女、足はヤギ、首から上はワニ、花の上に一本角、コウモリのような羽根を持ち、へそから蛇がカマクビを持ち上げているそうです。

デンデラーの神殿にある星座では、舌をのばし、乳房をたれ、手に大きな包丁を持って杖のようについているように描かれており、これが女性の姿なので、ティフォンの妻、タウルトとする学者もあるそうです。

ティフォンに殺されたオシリスの魂は月にのぼりました。

そのため、ティフォンは、河馬その他の動物に隠れて、毎月十五日に月を襲い、月とオシリスの魂を飲み込むそうです。

ために、月が満ちたり欠けたりするのだと伝えられています。


 
 
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