白鳥座の神話。

琴座のアルファ・ベガ=織り姫と、鷲座のアルファ・アルタイル=牽牛を、天の川の中で隔てている十字形の星座です。

そのため、南十字星=サザンクロス(Southern Cross)に対し、北十字星=ノーザンクロス(Northern Closs)と呼ばれ、日本では「十文字星」と呼ぶ地方があるそうです。

ユーフラテス流域の国々では、これを鳥と見ており、エジプトでは「めんどり」とし、アラビアでは「飛ぶゆく鷲」、琴座を「落ちる鷲」、鷲座を「飛びゆく禿鷹」として、三匹の鳥と見たそうです。

中国では、羽根の部分を結んで、天の川の船の渡し場「天津」としています。


たくさんあるので、まず一つ目。

これは、オルフェウスがエウリュディケを冥界に連れ戻しに行って失敗、トラキアの女性たちに、ディオニッソスの祭りで、八つ裂きにされヘブロスの川に投げ捨てられた後、白鳥に身を変じ、空に上げられ、琴座の側におかれたとされています。


そしてキクノス(Kyknos)の神話です。

キクノスは白鳥の意味で、ギリシャ神話では同じ名を持つ者が何人かいるのです。


最初のキクナスです。

このキクナスは、アレスとペリアースの娘ペロピアー(ピュレネー)の子で、デルポイの神殿に参る巡礼を襲い、奉献物を襲う野盗となりました。

怒ったアポロンはヘラクレスにキクナスの退治を命じ、ヘラクレスは神々の贈った武具を身にまとい、神馬アレイオーンの引く戦車に乗って、イオラーオスととも立ち向かいました。

キクナスは父アレスとともに立ち向かいましたが、ヘラクレスはキクナスを殺し、アテナの援助により、アレスの太腿を傷つけました。これによりアレスはオリンポスに逃げ帰りました。


異説が二つあるそうで、最初キクナスとアレスが二人で立ち向かって来た時、ヘラクレスはいったん引いて、その後、キクナスを討った。

もう一つは、ゼウスがヘラクレスとキクナスの間に雷撃を落とし、引き分けになった、というものです。


二番目のキクナスは、ポセイドンとカリュケー(キュプリア)の子です。

彼は、トロイア戦争に参加、海軍をもってギリシャ軍に立ち向かい、アキレウスと戦いました。

アキレウスはキクナスを楯で押し戻し、キクナスが石につまづいて倒れた所を楯で圧し殺しましたが、ポセイドンが彼を白鳥に変えたそうです。


三番目のキクナスは、レウコプリュス(のちのテネドス)島に面する土地の王でポセイドンの子供でした。

このキクナスは、生まれた時、母親のスカマンドロディケに捨てられましたが、白鳥が育てたとされています。

のちにラーオメドーンの娘プロクレイアを娶り、一男一女テネースとヘーミスをもうけましたが、妻は亡くなってしまい、キクナスは、トラガソスの娘ピロメネーを後妻に娶りました。

しかしピロメネーはテネースに懸想し、彼に拒絶されたため、夫に自分の方が言い寄られたと嘘を告げました。

キクナスはそれを信じて、二人の子を箱に入れて海に流してしまいました。

二人はレウコプリュス島に漂着、テネドスと改名し、そこで暮らしました。

この時、ピロメネーの嘘を証言したのが笛吹きのモルボスで、後にキクナスはこの嘘に気がつき、モルボスを打ち殺し、ピロメネーを生き埋めにし、息子に会いにテネドスに行きました。

しかしテネースは父に会わず、船のもやいづなを斧で切りました。

それからテネドス島では笛吹きは追い払われる事となったそうです。

他の説では親子は和解したとされています。


四番目のキクナスは、リグリア王でした。

彼は友人パエトーンの死を嘆き、白鳥となってしまい、アポロンは彼に歌声を与えたそうです。

白鳥が死に際して歌うのはこのためだとされています。


最後のキクナスは、アポロンとアムピノモスの娘テュリアーの子でした。

美少年だったため、多くの者が彼に言い寄ったため、退け続けました。

最後にピューリオスだけが残ったため、キクナスは次々に難題をふっかけましたが、ピューリオスはヘラクレスの援助でこれを果たしました。

しかしピューリオスは最後にキクナスを見捨てたため、キクナスとその母は湖に身を投げ、そのため、二人はアポロンによって白鳥とされたそうです。


え〜、美少年で間違いありません、ああっ、男の俺には違和感が・・・。


さて、もう一つの白鳥座の神話です。

この白鳥は、ゼウスが白鳥に変身してレダのもとに通った神話から取られているともされています。


レダ(Leda)は、アイトーリア王テスティオスとエウリュテミスの娘とされ、テュンダーレオースの妻となりました。

その頃、ゼウスは白鳥となってレダのもとに通っており、レダはゼウスと交わったあと後、夫とも交わり、四人の子供を生んだとされています。

ヘレネー、ポルックス、カストール、クリュタイムネーストラーのうち、前の二人はゼウスの子、後ろ二人はテュンダーレオースとされています。

この分け方には異説があり、ポルックスとカストールもゼウスの子とする説もあります。

さらにヘレネーは、ネメシスがゼウスの求愛から逃れるため、鶯になった所、ゼウスも白鳥となって交わり、ネメシスは卵を生んだのだそうです。

この卵は聖なる森に中にあったのですが、羊飼いが見つけ、レダの所に持って行き、レダはそのまま箱に入れた所、ヘレネーが生まれ、そのまま自分の子として育てた、というものです。

一般には、レダはゼウスとの交わりで、卵を産み、四人の子を産んだ、とされています。

そのうち、ポルックスとカストールは、ゼウスにより空にあげられ、双子座となりました。


さて、この星座のアルファを一等星でデネブ、ベータ星は三等星でアルビレオと言い、アラビア語でデネブは「めんどりの尾」、アルビレオは「くちばし」だそうです。

アルビレオは二連星で、オレンジ色の主星にエメラルド色の五等星を伴い、もっとも美しい宇宙の宝石とされています。


 
 
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