かんむり座の神話。

うしかい座のアルクトゥースの近くに、かんむり座があります。

かんむり座は二等星一つと六つの四等星が半円形に並んでいて、正しくは「北のかんむり」と言われています。

実は「かんむり座」は二つあり、射手座の近くに「南のかんむり」があります。

ギリシャ神話では北のかんむりを、アリアドネの冠としています。

「アリアドネの冠。」

アリアドネは、クレタ島の王ミノスの娘として生まれました。

ミノス王は、ゼウスとエウロペの子供で、クレタ島の支配者、アステリオンに、兄サルベードーンと弟ラダマンテュスと一緒に育てられました。

育ての親アステリオンが子が無いまま世を去った時、ミノスはクレタの支配者になろうとして反対されました。

ミノスは自分が神々からこの王国を授けられたと言い、その証拠に神々は自分のどんな願いも聞き入れるとしました。

ミノスはポセイドンに祈り、海底より牝牛を送られる事を祈り、その牛を神に捧げる事を約束しました。

ポセイドンはミノスに牝牛を送り、ミノスは王国を得ました。

しかしミノスは送られた牝牛があまりに立派なため、他の牝牛をポセイドンに捧げてしまいました。

ポセイドンは怒り、ミノス王の妻パーシパエーに呪いをかけ、牛に欲情を抱くようにしてしまいました。

牡牛に狂ったパーシパエーは牝牛に化け交わり、頭は牛、体は人間の怪物、ミノタウロスを産んでしまいました。

困ったミノス王は、名工ダイダロスに岩山をくりぬかせ、一度入ったら二度と出られない迷宮ラビリントスを作らせ、その奥深くに怪物を閉じ込めてしまいました。

そして属国アテネから、毎年七人の少年と七人の少女を連れて来て、ミノタウロスの餌にしていたのです(九年毎とも)。

アテネ王アイゲウスの後継者となった王子テーセウスは、ミノタウロスを倒そうと決心し、少年少女たちと黒い帆の船に乗ってクレタ島へ上陸しました。

そしてミノス王にミノタウロス退治を申し出ました。

ミノス王は黄金の指輪を取り出し、もしこれを取って来たら、願いを叶えようと、その指輪を海になげこんでしまいました。

テーセウスが海に飛び込むと、海神ポセイドンは彼を宮殿に招き入れ、歓待し、ミノス王が投げ込んだ指輪を渡しました。

テーセウスはこうして、ミノタウロスを退治しに、ラビリントスへと入り込む事になったのです。

ミノス王の王女アリアドネは、テーセウスに心を奪われ、なんとか彼が迷宮ラビリントスから抜け出せるよう、ダイダロスに教えを請いました。

アリアドネは教えられた通りテーセウスに糸まりを渡し、ラビリントスの秘密の扉を開けたのです。

そしてアリアドネは外で糸まりのはしを持ち、テーセウスは迷宮へと入っていったのです。

テーセウスは迷宮の中のミノタウロスと出会うと、拳で、またはアリアドネに授けられた剣で打ち倒し、無事迷宮を抜け出したのです。

テーセウスはアリアドネを連れ、船に乗るとアテネに向かいました。

しかし嵐に出会い、ナキソスの島へ停泊する事になったのです。

その夜、テーセウスの夢枕にアテネの守護神女神アテナが現れ、アリアドネを置いて急いで船出せよと告げました。

テーセウスは女神の言葉に従い、アリアドネを残して出航してしまったのです。

目を覚ましたアリアドネは深く悲しみ、海に身を投げようとしました。

そこに酒の神ディオニッソスが通りかかり、アリアドネを慰め、七つの宝石で飾った冠を与え、妻に迎えたのです。

そして、アリアドネの死後、その冠を空に投げ上げ、それが星になって、今も輝いていると伝えられています。

   「アリアドネの冠。」

実はこのアリアドネの冠、異説が多く、テーセウスと婚約した時、ディオニッソスから贈られたもので、光を発しラビリントスの暗闇を照らした、とも、テーセウスが海底の宮殿で贈られたものとも伝えられています。

また、ディオニッソスは牡牛の姿をしているとも、牛の姿をしているともされています。

もともとミノタウロスはクレタ島の古い神の姿ともされ、ある意味ディオニッソスとミノタウロスは同一のものとも言えるようです。


 
 
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