もう一つの神話。

ギリシャ神話にはもう一つの神話が残っています。

「ゼウスを育てた熊。」

ゼウスはティターン親族のクロノスとレアーの子として生まれました。

クロノスは天空神ウラノスと大地女神ガイアの子と生まれ、父を追放しましたが、その時、ウラノスとガイアは「自分自身の子によって支配権を奪われるであろう」と予言しました。

そのため、クロノスはレアーとの間に生まれた子を次々に飲み込みました。

レアーはこれを不満に思い、最後に生まれたゼウスの代わりに、石をくるんだ産着をクロノスに飲み込ませ、ゼウスをクレタ島のディクテー(Dikte)またはアイガイオン(Aigaion)の山で、クーレースとニンフのアドラスティア、イーデーに育てさせました。

ゼウスはニンフたちか牝山羊のアマルティアの乳を飲み、そしてクーレースたちの護衛のもとに育っていきました。

神話のもとではこうなっていますが、ゼウスはイーダー山の洞穴で、二匹の熊に育てられ、アマルティアの乳をのみ、蜂蜜を吸って成長したとされています。

のちに、この二匹の熊は空にあげられ、おおぐま座こぐま座になったと言われています。

     「ゼウスを育てた熊。」


「クマの尻尾がのびたわけ。」

おおぐま座は、今は北斗七星と他の星とを結んで、大きな星座となっていますが、古い時代には北斗七星のみをおおぐま座としていました。<

ヒシャクのマスの部分が体、柄の部分がクマの尻尾で、尻尾が長いクマだったのです。

そのため、西欧では他の星とつないで形を整えたのですが、北米ネイティブには由来譚が残っています。

「天へ投げられた大グマ。」

昔、北アメリカの森の木たちは、夜になると話をしながら歩き回ったのだそうです。ただ、それは誰も知らない事でした。

ある夜、大グマが自分の洞穴に帰ろうと森の中を歩いていると、なにかひそひそ声が聞こえます。

大グマは、あたりをうかがいましたが、どこにも何も見当たりません。

大グマは風のせいか?とまた歩きはじめましたが、やはり何かが話す声が聞こえるのです。

大グマはもう一度あたりをみまわしました。

すると、木がゆさゆさと揺れて、何か話していたのです。

大グマは驚いて走り出しました。

しかし、森の中は、どこまで走っても木がありました。

木はゆさゆさと枝をゆらしながら、クマの方へやってきて、いつの間にかまわりを囲まれていました。

目の前にはひときわ大きな樫の木が立っていました。

森の大王でした。

大王は、大グマの尻尾をつかみあげました。

大グマはおどろいて暴れ回りました。

「クマよ、おとなしくせよ。」

しかしクマには大王が恐ろしくて何も聞こえず、バタバタと暴れ続けたのです。

森の大王は言う事を聞かない大グマに腹を立て、そしてビューンと空へほうり上げました。

その時、尻尾もビューンとのびてしまったのです。

そして、その大グマは、星となり、今でも夜空をグルグルまわっているのだそうです。

   「天へ投げられた大グマ。」


 
 
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