北斗七星-The Great Dipper。

大熊座の七個の星で、北天に斗(ヒシャク)状の形で連なるのでこの名があります。

ひしゃくの柄の先にあたる星を中国名で揺光(ようこう)といい、古来時刻の測定や航海の指針としました。

北斗七星は、北極星を中心に、一日に反時計回りに一回転します。そのため、時間を知るのに使っていたそうです。

北斗、北斗星、七曜(しちよう)の星、四三(しそう)の星、ひしゃく星、七つ星などとも呼ばれ、ヒシャクの形の先から、ドューペ・メラク・フェグダ・メグレス(三等星)・アリオト・ミザール・ベネトナシュの名前があります。

単純にギリシャ文字のアルファベット、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、エプシロン、ゼータ、エータとも呼びます。

二等星六つと三等星一つで構成されていて、全天で六十個しかない二等星の十分の一がここに集中、とても目立つため、世界各地で様々な神話が作られています

ヒシャクの形は、日本では船、タイではスキ、フランスではソースパン(柄付きのなべ)、中国では帝の車と従者、アラビアでは、三人の娘と棺、となっています。


金のひしゃく。

昔、ある村の貧しい家に、母親とソーニャという娘が暮らしていました。

ある年の夏、雨が一滴も降らない厳しい日照りとなりました。

畑の作物は枯れ、井戸も枯れてしまいました。

そして、誰もが水を求める中、ソーニャの母は重い病気に倒れてしまったのです。


母は苦しい息の中、「水を一口、飲みたい。」とつぶやきました。

家にはもう飲み水がありませんでした。

ソーニャは木のヒシャクを持つと、遠い山奥の泉まで、水汲みに行きました。


山奥の泉には、水がたくさんありました。

もうあたりは真っ暗で、ソーニャは水を一杯汲むと、こぼさないようヒシャクを大事にかかえ、夜の山道を帰っていったのです。


しばらく行くと、一匹の子犬が倒れていました。

水の匂いを嗅ぎつけたのか、ソーニャを見てクンクン泣きました。

「これは大事な水だけれど、あなたにあげましょう。」

ソーニャは、ヒシャクの水を子犬に飲ませると、山奥の泉にひきかえしました。

不思議な事に、泉で、もう一度水を汲むと、木のヒシャクは銀のヒシャクに変わっていました。


ソーニャは、母親のもとに急ぎました。


暗い道を走り、やっと家の近くまで帰って来ました。

すると、道の真ん中に、おじいさんが一人倒れ、乾いたのどをゼェゼェ言わせていました。

「これは、とても大事な水だけど、おじいさん、飲んでください。」

ソーニャはおじいさんにヒシャクの水を飲ませると、また山奥の泉に引き返しました。

もう、夜半を過ぎていました。

夜空に星だけがある中、泉で水を汲むと、銀のヒシャクは金のヒシャクに変わっていました。


ソーニャは、大切な水を抱えて、また暗い夜道をかけて行きました。

そして、やっと家にたどり着くと、お母さんに水を飲ませる事ができました。

「ああ、おいしい。ソーニャ、お前もお飲み。」

母娘はヒシャクの水を分け合いました。


母親はたいそう喜び、病気は良くなりました。


そして金のヒシャクは、七つのダイヤモンドに変わり、夜空に登って北斗七星になったという事です。


     (ロシアの民話-トルストイ再話。)


 
 
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